メイン | 第16回 1998年フランス大会 »

第17回 2002年韓国・日本大会

【優勝国】ブラジル
【予選出場チーム】195
【本大会出場チーム】32

 前回の日韓大会はワールドカップ史上初となる共同での開催となった。海を挟んですぐの隣国同士ということもあり、実質的には例えばアメリカ合衆国の端から端まで行き来するよりは移動も数倍楽なわけだが、それでも単独では開催できないであろうアジアやアフリカなどの小国にとっては大きな出来事だったに違いない。

 しかし問題は、私たちが慣れている梅雨の時期の湿気であり、また、欧州サッカーの過密日程であったようだ。
 大した休息もなく東アジアへ渡って来たトップスターたちに、初夏の蒸し暑さは相当堪えたのだろう。優勝候補の一角を占める強豪国は揃ってエースの不調や怪我と連動するようにして姿を消している。フランスのジダンしかり、ポルトガルのフィーゴしかり、スペインのラウールしかり。
 優勝候補の中でも筆頭と目されていたアルゼンチンは少し事情が違い、こちらは選手も監督も「勝たなければいけない」というプレッシャーに潰されていた感は否めないだろう。

 一方、大会前は全く優勝候補には挙がらず、伸び伸びとプレーできていた2つの大国が決勝に残った。南米の王国ブラジルと欧州の強国ドイツである。
 神懸り的なセーブを連発する偉大なGKカーンに引っ張られ、決勝でも素晴しいサッカーを見せたドイツは大会前には大穴にも挙がっていなかった。優勝したブラジルもそうである、彼らはかつてないほど予選で苦しみ、やっとのことで日本へ辿り着いている。

 ブラジルの一番の勝因は、スペインのバルセロナであまり多くの試合をこなさずワールドカップに臨んだリバウドが正真正銘のエースとしてチームを牽引し、同じく前のシーズンを調整程度に抑えていた怪我明けの怪物ロナウドがゴールを積み重ね、フランスで気ままにプレーしつつ桧舞台でのデビューに向けて準備を整えていたロナウジーニョがピッチを自由に駆け回る、といったように主力のコンディションが万全だったことだろう。

 ちなみに、ベスト4の残り2枠に入ったのは、いずれも初入賞であるトルコと韓国である。日本は念願の初勝利と初のベスト16進出を果たすにとどまったが、大会自体は、優勝候補が軒並み倒れ、ダークホースが躍進したワールドカップだった、と言えるのではないだろうか。